れいの松茸のはなし
中学校の同級生のるりちゃん。
彼女の家に、泊まりに行った明け方のことだ。
朝早くに、家に帰ろうとして、るりちゃんの家の玄関を開けて、外に出たら、
右肘に、冷たい感触。スーパーのビニール袋に入ってる。
生肉!!
「ぎゃ~!!」
あたりまえである。
玄関に、何者かの肉がぶら下げてあるのだ!
こわかった。
あわてて、家の人を呼んだら、
「猟師のおじさんが、イノシシの肉をわけてくれたんだろう」
っと。
夜中に来たが、鍵が閉まっていたので、玄関にぶら下げて帰った・・。
実に親切。
あの、おぞまし生肉の匂いと、冷たさ。
白いビニールにしたたる、血・・。
透けて見えていた、大量の
肉。肉。肉。
はぁ~。後日、るりちゃんの弁当に、シシカバブのように
入っていた、イノシシ。
とても、美味だった。
あの、おぞましい姿とは、うらはらの、
肉の柔らかさ、牡丹色の肉。
なにより、シシ肉は、香りが素晴らしい。鹿は、なお、うまい!
数日後、毎日、るりちゃんの弁当に入っていたのが、
国産松茸。
れいの猟師おじさんが、くれるそうで、
朝から晩まで、松茸ばかりを、
かれこれ、2週間にもおよぶ。
「あきた~。」
っと、るりちゃん。
「じゃ~、ひとくち。」
それ以来、くれない。
人にやると思うと、ゴミでもおしいのが彼女の心情だ。
いや、人間の性か・・。
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